京都市北区大森東町の廃村寸前集落
行き止まりの道には古い集落がある法則
前回は京都北区の岩戸落葉神社に立ち寄りましたが、神社の奥に道が続いていて、地図によるといくつか集落がありそうでした。
最近集落マニアになっているので、なんとなくピンと来るものがあって、奥まで入ってみることしました。
古い民家が集まっているような集落はだいたい過疎の農村だが、平地で交通の便が良い場所はそれなりに発展しています。
代替わりして息子が跡を継ぐと住宅は改築されるか建て直され、新しい車庫に自動車が入っています。
それが正常なのだが、古い建物や閑散とした集落という点では、何の価値もなくなってしまう。
昭和のままの家が残ってる集落はまず学校や郵便局、派出所、農協のような便利施設がない。
不便なので住民が出ていき、息子は少し離れた平野部に住んで親を呼び寄せるか、時々実家に顔を見せる。
同じような集落でも、道路の両側が町に通じていると集落は維持され、道が行き止まりだと急激に過疎化が進む。
岩戸落葉神社から東に入る道は、せいぜい5キロほどで道が途絶えて山になっているので、途中の集落は限界集落と想像できる。
こうした行き止まりの道では国道に近い場所ほど最後まで住民が残り、行き止まりに近い方の家から最初に無人化する。
そういう道はたいてい小川に沿っているが、この小川は大雨が降ると確実に災害を引き起こし、道路を通行止めにしてしまう。
国道に近い方ほど通行止めになりにくく、跡を継いだ息子は町に通勤できるが、奥の方は毎年通行止めになり生活を維持しにくい。
岩戸落葉神社の左に道が続いています
いきなり濃いめの廃屋、手前の空き地も民家だったでしょう
ベンチに座って外を眺めたりしたのでしょう
現役の倉庫、適当な部材を貼り合わせたようです
日本昔ばなしのような農家もある
平野には田んぼもある
田んぼ1枚数万円にしかならないので、ほとんどは荒野になっている
田んぼ1枚を1年世話して年収3万円
大森東町は岩戸落葉神社から行き止まりの手前まで、川沿いに狭い平地が続いていて、意外にも水田が広がっていた。
水田は稲が育っていて農家が手入れしているのが分かるが、今時水田だけで生活する事はできません。
田んぼ1枚から平均530kg(農水省)の米が取れ、買取価格はコシヒカリの1等米で60kg1万円、安いので6000円以下というところです。
間を取って60kg8000円として田んぼ1枚(一反)で7万円、しかも6割は農機具などの費用に掛かるのでたった3万円に過ぎません。
水田だけで年収300万円を得るには、33mx33mの田んぼ100枚でやっとサラリーマン程度の収入になります。
田んぼ100枚を世話するには夫婦と一家総出で働く必要があるので、それなら奥さんがパートで働いた方が高収入になります。
だが田んぼか町で働くかを選べる集落は恵まれている方で、林業中心だった集落は、林業衰退で収入ゼロになりました。
林業集落は必ず町から遠いので通勤もできず職場も無いので、お金を得る手段が何もありません。
だがら山の上に在った林業集落は100%廃村か、廃村寸前になっています。
去年の台風でやられて放置されたようです
崩れかけた車庫にBMWが入っていた
集落だけどどこかがおかしい
ほとんどの家はどこか壊れている
これは去年の台風じゃなく朽ちて崩壊したようです
住んでいそうな家はなかった
良く見ると凝った作りの家です
この家は屋根に草が生えています
表通りは車が止まっていて、完全に無人ではない
家が並んでいるが、近寄ると人の気配がない