川上村の大滝地区と東川地区 やや限界の集落
吉野川の東川地区
前回は奈良県吉野川を上流に遡って川上村の東川という地区に入りました。
ここは吉野川沿いにかなりの面積があり、以前は相当数の家屋があったのではないかと思われます。
現在は不自然に隙間を空けて民家か点在している場所が多く、人口が減って取り壊したのかなと想像します。
まだ限界化していないのは交通が便利だからで、集落を通る道路は広く、南北どちらに行っても他の地域に通じている。
こういう場所にはバスが通っているが、行き止まりの道しかない集落だと、商業路線バスはまず通らない。
東川地区には木材を加工したりする木工所や、鉄工所や小規模な事業所が川沿いに点在している。
本当の限界集落には会社とかは一切ないので、ここは過疎ではあってもまだ限界ではない。
東川地区から川沿いに南下すると大滝ダムに出るが、ダム下流の大滝郵便局周辺に大滝地区がある。
大滝集落の中心部はダムの底の川沿いにあったのだが、今は数十軒からなる集落だけが残っている。
軽トラが何台もあるのは、活発な活動が行われている証し
廃屋や空き家も多い
この辺は生活感がある家が多い
生活感がない家はこんな感じ
増水すると激流になりますが、暴れ川がお金をもたらします
ここは雑貨店で、コーラや食料品を売っていたのでしょう
国は下流の都市を守るために、この地域にお金を使っています。
ダムと市街地まで立派な国道が通っています
過疎地の経済はダムや川で成り立っている
大滝集落には郵便局や商店、民宿などがあり、釣りや行楽客などが宿泊するようです。
ダムによって集落はなくなったが、今はダムが人やお金を集めている。
こうした過疎地ではダムによる経済活動はばかにできず、かなりのお金を地元にもたらしているいる筈です。
山奥のダムでも道はきれいで山林が手入れされているが、それはダムを保守するためにお金が出ているからです。
そのダムは下流の都市を水害から守り、発電した電気も都市に送られ、ダムがある地域はお金を受け取ります。
こうして都会から田舎にお金が渡ることで、過疎地の経済が成り立っています。
台風や大雨から京都や大阪を守るために、上流の山奥にダムが作られたり河川整備され、そのために国の予算が降ります。
ダムや川を守るために山林を保護して森を守る必要があり、もし禿げ山になったらダムは土砂崩れで崩壊し、その水は大阪市や京都市を襲います。
こうして都市災害を防ぐために工事が行われたり防災予算がつけられ、災害がお金をもたらすのです。
もし台風も豪雨もなくなってしまったら、過疎の村を誰も気に掛けなくなるでしょう。
ダムの下流の山間に大滝集落がある
郵便局や診療所があるのは過疎地としては例外的
集落を上る道
シーズンになると手作り団子を販売するらしい
ダムは右手に在り、左に行くと吉野町に出る
不釣り合いに立派な寺、以前はもっと大集落だったのでしょう
大滝ダムを守るために国がお金を払い、その金が集落を支える
つづく