十津川村国道168号線の旧道めぐり、風屋花園集落
十津川村の国道168号が重要な理由
奈良県十津川村に向かう国道168号線は現在はかなり整備されているが、一部林道のように狭い箇所が残されている。
人口過疎地域を通る整備中の路線なので、高速道路のように立派な区間と林道そのままの区間が混在している。
国道に指定されたのは昭和27年で、全線で自動車通行可能になったのは昭和34年になってからだった。
十津川村は有史以前から度々大水害に襲われ、通行の困難さでも知られていて東西に流れる川は龍神に例えられた。
神武天皇が奈良へ攻め込んだルートでもあり、通行困難だから攻めてこないという敵の裏をかいて背後から攻めた。
十津川村は日本一広い面積だが人口は約3100人しかおらず、本来なら国が大規模な投資をする価値もない。
国にとって十津川村の価値は山岳と河川そのものにあり、紀伊半島周辺のすべての都市は紀伊山脈が源流の河川が流れている。
もし十津川村や周辺の山岳地帯で洪水などが発生すると下流の都市の河川が決壊するなどの被害が出ます。
十津川村のほとんどは杉林だが、倒れた杉の木が河川を塞ぐと十津川村全体が大水害になる。
風屋花園の集落
国道沿いの床屋
集落の中に入ってみます
古い木造家屋ですが人が住んでいます
石垣の上の方にも家があります
人が住んでいる家はこのように賑やかで赤いバイクが見えます
橋を渡って十津川の反対に行ってみます
川の対岸から見た風屋花園集落
33校あった小学校が2校に
その大水害の水が一気に下流河川に流れ込んだら、都市の市街地も水浸しになります。
国にとって紀伊半島山岳部は災害防止のために重要で、このために道路を整備したり補助金を投入しています。
棚田や森林を保護するのも保水機能を保って下流都市を守るためで、十津川村そのものを守っているのではない。
だが村に人が住まなくなると自然は急速に荒れ、川には倒れた木材が詰まって流れなくなります。
人が住んで生活する事で住民が手入れした方が、無人化した山林を国が保守するよりもずっと簡単です。
こうした理由で紀伊山脈の村では道路が整備され、道路沿いに観光施設が建設されて観光客がレジャーに来ている。
国道168号線は急速に整備され住民は時速80キロ以上で飛ばしているが、旧道もあちこちに残されている。
旧道には数軒程度の集落が点在し、すでに廃校になった小学校や通る車もない橋が架かっている。
林業が盛んだった時代には旧道の集落も賑わっており、子供も大勢いたので十津川村に33校もの小学校が存在した(現在は2校)
風屋ダム下流側の橋
橋の上から風屋ダムはこのように見える
脇道から見た橋とダムが美しい
脇道の先に大きな建物と集落が見えます
白い建物は十津川村立二村小学校(2010年廃校)でした
グラウンドには用具置き場のような建物がある
豪華ホテルのように立派なつくり
階段には雑草が生えている
つづく