十津川村内原、昔は小学校もあった孤立集落
林道の先にある孤立集落
前回行った十津川村の滝川集落を流れる滝川の上流に林道が伸びていて、最後は笹滝という名勝から登山道になります。
滝川集落中心の滝川橋から約2キロに内原集落があり、滝川・内原ともにバスが通っている。
時刻表を見ると本数は多いが、土曜のみ、日曜のみ、平日のみと書かれていて要するに一日一往復らしい。
舗装林道を走っていると杉林の切れ目からふいに内原集落が現れるのでびっくりする。
なんとなくジブリ映画に出てくる日本の古い村に似ていて、まんが日本昔ばなしにも出てきそうです。
滝川をには自動車がやっと通れるほどの橋が架かっているが、見ると橋と手前の道路はバイクや耕運機がやっと通れるようになっていた。
100mほど林道を進むと新しい橋が架かっていて、そこは大型車でも通れるようになっていた。
内原集落傾斜集落で斜面に沿って階段状に家が並んでいて、道路は下からジグザグに上へと伸びている。
下から見上げると右側にひと際大きな建物があって、そこが旧内原小学校でした。
内原集落を動画にまとめました
林道を走っていると森の切れ目に突然現れる
幻想的な風景
中央右にひときわ大きな建物が見える
手前の橋は現在は軽車両しか通れなくしてある
旧内原小学校で現在は集会所
50年も前に廃校になったので、最後の卒業生は62歳
今も内原小学校のプレートが掛かっている
多くの集落を消滅に追いやったのは小学校廃校
内原小学校は1969年と十津川村で最も早く閉校になったが、2キロ先の滝川集落には二村小学校があった(学校は3キロほど先)
その二村小学校も2010年頃に廃校になったので、周辺には学校は存在しない(十津川村だけで30校が廃校になった)
十津川村には小学校が2校残ったが、日本一面積が広い村なので中心部の児童以外が通うのは難しい。
1960年代に1万2000人以上だった人口は学校の減少によって急減少し、2000年には5000人になった。
その後も廃校は続き現在の人口は3400人で、2校ある小学校は1校になりいずれ廃止されるのは時間の問題です。
隣の野迫川村は360人で小学校生徒数は6学年で6人になり、それも減り続けている。
人口が減ると学校を減らし、学校が無くなったことで子供がいる親は村に居られなくなり町に出る。
するとさらに子供の数が減るので廃校にし、さらに人口が急減するという最悪のパターンに陥っている。
しかも奈良県のほとんどの村が同じように廃校→児童減→人口減のスパイラルが起きている。
多くの過疎集落が壊滅する転機になったのが小学校廃校で、学校がなくなると将来確実に人口ゼロになる。
住民は集落を支える意欲を失ってしまい、奈落の底に落ちるように短期間で集落は消滅します。
小学校横方向、かつては通学路だった
上の方にも家や農地が広がっていた
小学校から見た橋
橋は「ないはら橋」川は「ないはら川」とあった
橋から見た集落がとても美しい
橋から見た林道側の農地、去年ここは田んぼだった気がする
無人だと思った家に軽トラが止まっていた
人が住んでいるようです