野迫川村の集落 廃村累々
今井集落
奈良県で最も到達困難な野迫川村
前回は野迫川村の中津川に行きましたが、野迫川村の中心部も周って帰りました。
この野迫川村は地図で見ると都会である五條市に近く、和歌山県の高野町にも近いのでそんなに遠く見えない。
だがどのルートから侵入しても道路は村道レベルで中央分離帯や路側帯はなく、片側が切り立った山で片側は崖になっている。
おまけに常に落石の小石が転がっていて、ナイフのように尖っていて、タイヤに刺さると1発でパンクします。
さらに直線は100mもなく、延々と急カーブが続きカーブの先は見えないので速度を出せない。
奈良の山間部に住んでいる人は平気で80キロ以上出すのだが、さすがにここでは30キロ以下になってしまう。
結果地図上では20キロほどでも軽く1時間かかったりして、日帰りで往復するのは困難です。
距離としては十津川村の方が遠いが、五條市から十津川村へは高速道路のようなバイパスが(一部)通っていて時間はかからない。
おそらく野迫川村は奈良県でもっとも市街地から到達困難な場所で、村内を移動するにもジグザグの細い道を延々とカーブしないといけない。
こんな場所なので超過疎化が進行していて、通り過ぎた集落のほとんどで老人すら見かけず家は空き家ばかりです。
野迫川村の人口は2016年で424人、野迫川小学校の生徒数は6人で教員数が5人となっています。
この野迫川小学校はとても立派な校舎ですが、いつ通りかかっても生徒を一人も見かけないのが不思議でした。
中津川の先の池津川、数時間ぶりに人が住む民家を見た
住んでるか微妙ですね
これは廃屋
これも廃屋
住んでいる家は生活感がある
ここにも昔小学校があったようです
野迫川村唯一の観光スポット雲海、見渡す限り暗い森
孤独そうな家に目を惹かれた
野川という場所に野川小学校が在ったらしいですが
近くには崩れかけた廃屋があるだけ
最も消滅に近い村
小学校は本当は「野迫川村小中学校」ですが、中学校としては機能していないようです。
小学校の隣りには保育所があり、数人の園児が通っているようで、どちらかと言えば保育所の方が賑やかな印象です。
良く比較される十津川村は人口3488人と8倍もあり、小学校から高校まであるので、野迫川村に比べると都会に見えます。
十津川村は農業はないが観光が盛んで、水力発電所や防災関連の事業所が多い。
野迫川村にもそうしたものはあるのだが、最も立派な建物は小学校と消防署だったりします。
十津川村には谷瀬の吊り橋や瀞峡などインスタ映えするスポットが多いが、野迫川村は果てしなく暗い森が続くだけです。
同じく過疎の村とは言ってもランクがあり、野迫川村は全国的に見てももっとも消滅に近い村と言える。
様々な過疎地を見て感じるのは、小学校が廃校になると住民が力尽きてゲームオーバーになる。
それまで何とか頑張ってきても村に子供が一人も居なくなったら、もうどうしようもないからです。
唯一存在する野迫川小学校(以下18年7月撮影)ですが子供の姿や声はしません
隣の保育所は人の気配がします
学校近くに新しい団地がありますが
ほとんど無人で公園で遊ぶ子供もいません
ここは今井という地区で祭りのポスターなどがあります(19年7月)
戸数が多いですがほとんどは空き家でしょう
外に出ている人の姿がありません
ここも10年後には人口ゼロかも知れません
おわり