吉野川上流の集落 川上村の中奥地区と井光地区
中奥川と井光川
吉野町から吉野川を遡ると川上村に入り、町と言うものはなくなりコンビニやスーパーは一軒もない。
個人商店が少しある他は移動販売車が時々巡回していて、車がある人は20キロほど離れた町に買い物に行く。
車が無い人は巡回バスや近所の人と一緒に車で行くのかも知れないが、毎日という訳には行かず不便だろうと思う。
しかも近所に家がない場合はバスの停留所がないし、車に乗せてもらうこともできず移動販売車も止まらない。
ある程度過疎化が進むと近所がなくなるので、互いに協力することが出来なくなります。
こうした”ぽつんと一軒家”をちらほら見かけるが、高齢者が一人で住んでいて、最後の時を待つばかりになっている。
吉野川支流の中奥川は今も川沿いに数十軒の民家が残っているが、昔は数百軒あったのではないかと思う。
中奥川は釣り人には知られた穴場のようだが、普通の人は誰も行かず、道は行き止まりになっている。
集落を通る道が行き止まりか、もっと大きな村や町に通じているかは大きな違いで、町に通じていると集落は維持される。
中奥川と吉野川の合流点には小さな集落がある
奥地から移住した世帯が住んでいた団地が存在する。
今はほとんどが空き家になっていた
異次元を通って飛ばされてきたような風景。
車や散歩する人を見かけたので住んでいる人がいる
瀬戸団地近くの神社も閑散としていた
枌尾という中奥で最後の大きな集落
枌尾の先は集落がなくなり林道になります
これが最後の、人が住んでいる家のようでした
向かいも住んでいるようですが、小屋かも知れません
静かに最後の時を待つ集落
行き止まりだと行政から整理の対象になってしまい、最小限の予算しか得られなくなる。
災害時にこれは大きな違いで、幹線道路だと大急ぎで復旧するが、行き止まりだと1年以上かかります。
災害地点の先に数軒しか住んでいないと、費用対効果を計算して「移住してはどうか」という話になります。
人が住んでいる限り土砂崩れ防止や道路整備費用などがかかるので、過疎化が進むと行政はそこから住民を追い出そうとします。
こうして今まさに消えようとしているのが中奥川の中奥地区と、井光川の井光地区でした。
産業は林業と防災工事くらいで、平地がないので水田がなく畑も家庭菜園くらいしかない。
林業だけで生活できないので産業としては壊滅しており、収入を得るには町で働くしかない。
町で働くなら限界集落に住む意味がないので、若い人は下流の吉野町や大淀町、五條市などに移住しています。
残っているのはやはり高齢者だけで、60代でも青年、平均年齢は恐らく70代になっています。
こうして山間の限界集落は静かに終わりの時を待っていて、10年後には住民の平均年齢が80代になり集落は消滅しているでしょう。
中奥の先も道路が舗装されています
崩れた廃屋、民家だったのかも知れません
その先にも廃屋がありました
奥に機械が見えたので、作業場や工場だったのでしょう
土台だけになった建物が点在しています
一番最後の民家
使われていないようです
この先にも昔は家があったのだろうか
車庫のような高床式の建物
時々建物があったらしい空間がある
つづく