奈良県宇陀市で日本誕生前夜の歴史を偲ぶ
日本が生まれた場所
年末に奈良県宇陀市に行き、当初は市を南北に縦断して大回りするつもりでしたが、思ったより寒くて小回りコースに変更した。
いつも通り大阪から奈良盆地に出て、そのまま東に進むと宇陀市に入ります。
宇陀市はあまり走ったことが無かったので、まず大回りにぐるっと一周して道に習熟するつもりでした。
宇陀市は山中なので明日香村や桜井市のような古墳はなく、飛鳥時代前後の建築物もない。
だが宇陀市は弥生時代から古墳時代にかけて水銀の原料である辰砂(しんしゃ)の産地でした。
その規模は中国の産出量に匹敵し、瀬戸内海から三重県にかけての水銀は巨大な富を生み出した。
当時水銀は万病に効く不老不死の薬と同時に塗料や化粧品に用いられ、金や銀より高価でした。
九州から近畿にかけての弥生遺跡には中国皇帝から貰った青銅剣や鏡が多数出土している。
それらはタダで貰ったのではなく日本は辰砂を輸出して見返りに交換したものでした。
辰砂の日本最大の産地が宇陀市で、もっとも近い平地が巨大前方後円墳が出現する纒向地方でした。
水銀の権益を独占した大王(おおきみ)が天皇となり、巨大な富は飛鳥宮殿を生み出し、最も近い積出港として大阪が栄えました。
古事記や日本書紀に書かれた日本神話はすべて水銀の産地が舞台であり、最後に最大の産地である紀伊半島を制圧して終わります。
ヤマト政権や日本国家のはじまりはこの宇陀市の水銀鉱山だったのだが、今ではすべて忘れ去られています。
桜井市の平地から宇陀市の山中にかけての農村
宇太水分神社中社は崇神天皇の創建と伝えられるので、西暦300年頃
宇陀市室生の風景
気温1度くらいでなんとも寂しい農村だった
バイクで走ると体感気温はマイナス10度以下
室生川の小さな橋
チェーンソーアート「原山もみじ家」が目を引いたので上ってみます
つづく