三ツ塚古墳群(奈良県葛城市)を訪問
無造作に置かれている石棺
古墳に触れる
前回は聖徳太子の官道こと竹内街道の山道を走り、まだ時間があったのでグーグルマップで近くの古墳や遺跡を探した。
すると三ツ塚古墳群というものがもっとも近く、予備知識はないがとにかく行ってみようと思い立った。
こういう思い付きでは、多くは大したものではなく、中には「更地」や建物の下敷きになっていた事すらあった。
あまり期待せずに現地に行くと、南阪奈道路という高速道路のわきに掘削された斜面があり、案内板が建っていた。
どうも高速道路建設にともなって出土したものを移動したらしく、本来その場所に存在したのではないらしい。
いよいよ「外れ」の予感が高まるが、一応高速道路の予算で立派な階段が作られていたので、登ってみました。
地図ではカーブの曲がり角にある
すごく立派な階段がある
階段は水が流れたからか途中で崩れていて、ただの崖になっている部分を乗り越えたりした。
上まで登ってみると無造作に「ポン」と置かれた石の箱があり、なんとそれが石棺だった。
今まで見た「高松塚古墳」や「藤ノ木古墳」では厳重に鉄格子が嵌っていたり強化ガラスで仕切られていました。
それが公園のベンチ風に、規制すロープすらなく雨ざらしで置かれている。
横を見ると石棺が入っていたと思われる横穴式石室があり、上のほうにもいくつも同じ様式の石室が見えています。
横穴式石室は大陸や半島で流行して日本にも作られたが、渡来系種族の墓で多くみられる。
7世紀ごろ百済や新羅、高句麗などからの渡来が大量にあり、日本各地にこうした渡来人の墓地がつくられた。
三ツ塚古墳群がこのように野ざらし状態なのは自治体が管理しているからで、「高松塚古墳」「藤ノ木古墳」は文化財として国が管理しているので国の予算で保護している。
なお少し離れた大阪府藤井寺市に「三ツ塚古墳」という同一名の古墳があるが、無関係です。
一部が崩れたらしく、階段も工事中だった
階段を上ると何かが見えた
レプリカかと思ったが、どう見ても本物だ
すごい、風呂桶かゴミ箱のようだ
すぐ横に7号墳がある
中には「本物の石棺」がまだ入っていた
階段を上ってみる
高速道路の下から出土して、ここに移築したと書かれている
11号墳
石組みもそのまま残されている
10号墳
天上にも石があったが紛失したようだ
中に入ってみる
番号が書いていない古墳もあった
上の方にもう一つ見えるが道がない
下からだと良く見えない
もう一段階段を上ってみるが
どうやら雑草で道が塞がれたらしい
下の方も数年後には樹木が繁り何も見えなくなるだろう
おしまい