天川村の無人山岳集落、広瀬地区
一見住んでいそうだが実は無人
無人集落なのに手入れが行き届いていた
前回は天川村の塩野という高地集落まで行き、森の中の天満宮で休憩し、また走り出しました。
塩野集落は国道168号線に近く、まだ半分以上は人が住んでいる感じだったが、奥地に進むにつれて廃屋が増えます。
もっと奥の滝尾は空き家と空き地が多くなり、もうひとつ奥の広瀬は完全な廃村状態でした。
距離にすると僅か数キロ先にある広瀬という集落は一度県道に降りてまた上る孤立集落で、他とはつながっていない。
すずかけの道(県道)を東に走っていると広瀬地区が正面に見え、一見すると今も人が住んでいるように見える。
ところが坂道を登って一番上まで行っても、猿の群れが居るだけで誰ともすれ違わない。
頂上の墓を見ると代々の墓があって、最後の人は平成27年(2015年)に亡くなっていて、隣の家には今も表札が掲げてあった。
おそらくこの人が上の方では最後の住人で、子供たちが居るにしても平地に住んでいるのでしょう。
道路や家々はとてもきれいに清掃されていて、元住民か子供が定期的に来て保っているように思える。
塩野から廃屋を眺めながら広瀬に向かう
廃村や廃屋はだいたいこんな感じ
車が通る道が無かったころの運搬用ケーブルですね
良くあることですが道路をつくると過疎が一気に進む
その先に広瀬集落が見えてきます
下からひと際目立つこの建物は老人集会所兼避難所だが、老人すらいない
この先が一番上で、前に来た時は猿の群れがいました
崖の途中に作ったような建物があります
玄関のほうに回るときちんと戸締りされています
家の下は石垣が組んであり、ものすごい労力がかかっています
斜面の家からはこのような景色が見えます
ちょっと住んでみたい気もする
最後の時が流れる集落
ストリートビューでは広瀬集落の下の方の家の住人が写っていて、数年前まで誰かが住んでいたようです。
一番下の家には今も自転車が置かれているのが見え、空き家になってそれほど時間が経っていないのが分かる。
近所に数人が住んでいる間は一緒に買い物したり助け合えるが、ご近所が居なくなれば高齢者だけでは暮らせなくなる。
まだ元気であっても老人ホームに入居する人もいて、完全な無人になったのでしょう。
無人になっても集落には寺と墓地があり、最近修理されたらしくお盆などには元住民や子供たちが来るようです。
若干物悲しさを漂わせながらも、無人集落は最後の時が静かに流れている。
もう10年経てば家々は崩れ始め、30年すれば崩れた家は樹々に飲み込まれるのでしょう。
斜面の家を上がった広場には、立派な墓が建っています
墓石の名前と家の表札が同じでした
平成27年になくなったようです
この景色を見ながら晩年を過ごしたのでしょう
近くには新しい木が植えてあります
このような薪を調理や風呂や暖房に使ったのでしょう
広瀬を降りて県道沿いには使われなくなった吊り橋の土台が点在する
新しい吊り橋がきれいです
これは別の集落の寺で、避難所になっている
ここは無人ではなく農作業中の人を見かけた
ここも10年後に人が住んでいるかは分からない
おわり