堀越癪観音と、かつらぎ町東谷の山岳集落
かつらぎ町東谷
河内長野市の滝畑ダムから大阪府道61号線で南下すると、森の中の林道を抜けて山を越え、和歌山県の紀ノ川水系に出る。
そのまま通り過ぎても良いが、岩湧山から和泉葛城山にかけての山あいには、小さな集落が点在している。
府道61号の蔵王峠手前には「堀越癪観音」という案内標識があり、何やら面白そうだと感じたので右折してみました。
開けた山の中腹に集落があり、堀越癪観音は集落の外れにあった。
真言宗山階派の寺院らしいが寺らしい物はなく、かといって神社でもないという風変わりな施設です。
元は修験者が拓いた修行場のような場所だったらしく、今でも修験者が護摩祈祷を行っている。
行った日は何も行われておらず、管理人や観光客や、村人らしい人にも出会わなかった。
ただ廃品回収かリサイクル業者らしいトラックが、リサイクルゴミを集めては忙しく走り回っていました。
この辺はかつらぎ町東谷という地区で、山の上に山岳集落を形成しています。
右手の看板に「堀越観音」と書いてあります
ジブリ映画みたいな集落が現れます
昔はかやぶき屋根だったらしい民家
展望台のようになっていて広場にはベンチもある
社務所のような建物はかやぶきだが、誰も居ないようだった
さりげなく天然記念物の樹がある
丘の上には修験者が護摩をたく護摩堂などがあります
上から見たさっきの社務所、日本昔話のような景色
名産の串柿は食べない柿だった?
山岳集落はいまではすべて過疎地になっているが、かつて林業が盛んだったころ日本中に存在していました。
山岳集落には水田がなく畑も僅かしかないが、森林を伐採して資源として売ることで収入を得られる。
また大阪と奈良・和歌山の間の山では果樹園による果樹栽培も行われています。
かつらぎ町の東谷と平は穴伏川の谷を挟んだ2つの山岳集落で、それぞれ孤立しており干し柿の名産地として知られている。
和歌山県、奈良県、大阪府にかけては日本有数の柿山地で、林業は廃れたが今も貴重な収入源になっている。
東谷、平と、少し下側の滝、広口の四つの村を合わせて四郷(しごう)といい、『串柿の里』として知られている。
残念ながら初夏なので柿はなかったが、道路脇には物干しざおのようなものが並んでいて、秋になると干し柿が吊るされる。
山がオレンジ色に染まるほど壮観な風景で、これを見るためにハイキングなどに来る人も多い。
串柿は竹串に10個の柿を刺した干し柿で、正月の飾り物として大量に生産される。
柿の季節から正月明けまで2か月以上あり、すぐに食べれば食べれるのだが、長期間放置されると腐敗している可能性がある。
食べるように購入したものは早めに食べ、正月に飾ったものは捨てる事が多いようです。
堀越癪観音を過ぎると、道路わきにこのような物が並んでいます。
ガードレール代わりの手すりかなと思ったが、柿を干すものでした
向こう側に家が見えます
向こう側が平地区でこっち側が東谷地区
まるで天空の城ですね
少し下にあるのは滝地区でしょうか
向こうの山の方に向かってみます
向こうの山に行くには一度川がある谷底に降りて、上がらなくてはならない
つづく