安倍晴明神社と阿倍王子神社に行ってみた
阿倍王子神社の入り口
阿倍王子神社
大阪の阿倍野区に阿倍王子神社があるのは知っていて、神社の前を何度も通っていたが、建物が鉄筋コンクリートだったので立ち寄ることもなかった。
表通りから見える大きな建物が実は事務局の建物で、神社は事務局によって完全に隠された形になっているのを最近知った。
神社には耐久性を重視した鉄筋コンクリートの建物も存在するので、事務局が神社だと勝手に思い込んでいました。
外から見ても鉄筋コンクリの建物があるだけ
しかしなぜ阿倍王子神社には神社そのものより巨大な事務局があり、それが敷地の多くを占拠しているのかは謎です。
阿倍王子神社と安倍晴明神社は安倍晴明に関係していて、以前映画がヒットした時には「陰陽師」(おんみょうじ)が流行語になった。
阿倍王子神社は熊野権現に参拝する道中にある「九十九王子」のひとつで。王子とは天皇が途中で立ち寄るための施設であるらしい。
神社は巨大な事務局の裏側にある
10世紀後半から13世紀にかけて王子社の建設ラッシュが起きたが、熊野権現を祭った神社は全国に約3千社も建設された。
今のコンビニの数は5万5千だが人口は1億2600万人で、11世紀の人口はたった600万人だったと考えられている。
人口比で言えば現代の日本に6万もの神社が建てられた事になり、空前の建設ブームが起きていました。
狛犬の種類が多く、狛犬マニアは狂喜するだろう
安倍晴明はエリート学者だった
「阿倍野」という場所にあったのが阿倍王子神社で、その近所で生まれたのが安倍晴明、幼少から陰陽道を学び、陰陽師となった。
陰陽道は占星術で、科学万能時代になる前には、現代の科学と同じように重視され、人々に指針を与えてきた。
悪天候を予想したり天変地異を祈祷によって防ぐ、政治家に助言を与えたり、人々の生き方を指導したりした。
小さいキツネ
非科学的だから無意味ではないかという疑問も起きるが、社会に何も規範が無かったら人々は混乱し、よりすさんだ社会になったでしょう。
科学であったり道徳であったり、占星術であったり、何らかの社会規範が無くては安定した社会にならないと考えられる。
社会に規範(ルール)を作る陰陽師となった安倍晴明は天皇を危難から守った功績を認められ、晴明は政治家としても活躍していく。
カラスは夫婦円満や水子供養に関係がある
陰陽師は占星術の必要性から天文学や計算術に長けていて、農作物の周期的な計画や、水害や台風の予測にも長けていた。
気象予報士であり農業学者であり、天文学者であり数学者でもあったので、当時としては最先端の科学者でもあったのが分かる。
現在の財務官僚、司法長官、農林省官僚、兵庫県知事に当たる役職を歴任し、天皇から従四位を授かっている。
もの凄く古そうな御神木
裏側から見た阿倍王子神社(こっちが正面なのかも)
安倍晴明神社
その安倍晴明生誕の地(と伝えられる)場所に晴明を記念して建てられたのが安倍晴明神社で、阿倍王子神社から歩いて数分の場所にある。
阿倍王子神社に行くと安倍晴明神社の紹介や案内板があり、飛び地にある分社のようになっている。
現代では安倍晴明に関心をもって尋ねてくる人が殆どで、二つの神社を中心に「パワースポット」を巡礼する人が多い。
阿倍王子神社の裏側から出て、数分歩くと安倍晴明神社
阿倍王子神社、安倍晴明神社ともに、神社内に小さな参拝所がいつくも在り、すべてお参りして賽銭を入れると結構な金額になるだろう。
おみくじやグッズ類を売っていたり、キツネや狼の狛犬、朱に塗られた華やかな彩などが、いかにも女性に好まれそうな雰囲気だった。
神が宿る御神木があったり、「占い相談所」、晴明の像、晴明が産湯を使った井戸など見所が多い神社だった。
神社前のバス停周辺にはタコヤキや手作りドーナツの店、骨董品の店などがある。
安倍晴明神社はキツネ率が高め
逆立ちするキツネ
この人が安倍晴明
占い、人生相談あり
水の出る蛇口も凝っている
バス停近くにはドーナツなどを売っている。
近所の女性たちが買っているので、美味しいのだろう