定点 あいりん地区の変化、職安なくなりホテル化進む
あいりんの聖地だった職安閉鎖
数か月ごとに大阪西成の通称あいりん地区に行き、写真を撮っています。
観察に行っているのではなくバイクの定期点検に行くのだが、時間が余るのでその辺でぶらぶらします。
今年最大のビッグニュースは地区の象徴だったあいりん職安が3月31日で閉鎖された事でした。
あいりん地区と言えばあいりん職安というくらいの場所で、数々の暴動の中心地であり、ホームレスの居住地でした。
屋根があって解放されていたので中には多くのホームレスが住み着いていたが、5月までに追い出されて本当のホームレスになっていた。
住んでいた住民が抵抗したため閉鎖は4月24日になり、かなりの抵抗運動があったようです。
あいりん職安は1970年頃にできたが普通の職安のように職業紹介をせず、むしろ追い出し所のようになっていた。
労働者は朝になると職安にあつまり、日雇いの募集をしている紹介屋と各自交渉して現場に出かける。
夕方になると職安に戻ってきて、裏側のドヤ街で泊まったり職安の中で寝たりしていた。
4月24日に閉鎖され、この写真は5月17日撮影、人権団体のバスなど「闘争」の跡が残る
追い出されたホームレスの仮設テント、老人が呆然と立っている
こうしたテントが職安を取り囲んでいました
テントを作れる人は恵まれていて、無い人は地べたで横になる
近くのスーパー玉出前では敗残兵のように集まって宴会をやっていた
同じ職安の6月13日です、少し整理されています
6月21日のようす、道路のこっち側は臨時職安で高級車がずらりと並んでいる
明らかに減っていて等間隔に誘導員が立っている
変わって行くあいりん地区
あいりん職安はある種の人たちにとって「家」であり、閉鎖されたのは家がなくなったようなものだったようです。
職安は新しく建設されるが、新しい職安がホームレスを受け入れることは絶対にないでしょう。
最近のあいりん地区はリゾート化が進んでいて、近くには星野リゾートの大型ホテルが建設されている。
あいりん地区や周辺には1泊千円前後で泊まれるドヤが多かったが、次々にホテル化し2000円以上になっている。
外見や内装をちょっとおしゃれにすると外国人観光客の安宿に変わり、アジア人や欧米観光客が出入りしている。
旧来のドヤは駅や大通りから離れた奥の方だけになり、年々面積が縮小しています。
西成区には介護施設や介護センターが異常に多いが、あいりん地区の中にも老人ホームのような建物ができている。
最近あいりん地区の隣りを中華街にしようという動きがあり、現在はゴースト商店街なので実現するかも知れない。
これから10年ほどであいりん地区はドヤとホームレスの町から、旅行者と介護施設の街になっているでしょう。
あいりん地区に去年頃できたホテルです
数々の暴動の震源地になったあいりん公園(4月)、あべのハルカスが見える
最近増えたのがリサイクルショップ、この前怒鳴られたので離れて撮っている
安ホテルがあるドヤ街は少しずつ狭くなっている
1000円以下のドヤも減っている
住人が減ったのでこうした店も減った
「高級化」が進み月2万円台はほとんどなくなった
生保上限の4万円ちょっとが多い。住みたい人はどうぞ
旅行者のギャルがあいりん地区の食堂でくつろいでいます。
世も末ですね?