公園で一晩寝るのは合法か違法か
公園でテントを禁止する条例はないようだ。
「継続して占有し他の人が使えなくする行為」は禁止されている
自転車で四国お遍路http://3.bp.blogspot.com/-08246NxlQZs/UuV3JIo7X6I/AAAAAAAAF_o/ycrJ-_eEJos/s1600/%25E9%25BB%2592%25E5%25B3%25B6%25E6%25B5%25B7%25E6%25B5%259C%25E5%2585%25AC%25E5%259C%2592.jpgより引用
公園で寝るのはまったく問題ない
自転車やバイク、徒歩などで日本一周している人がたまに居て、彼らのブログは結構おもしろい。
日本一周でなくても金を掛けずに旅行するとき、最大の出費になるのが交通費と宿泊費用です。
交通費は自転車や歩きならほぼ無料だが、宿泊費はそうも行かず、ホテルなどに泊まると高額出費になる。
まともな安ホテルに一晩泊まるだけで6000円は掛かり、日本一周している間は収入がないだろうから、ホテル代で破産してしまう。
そこで考えられるのが野宿で、テントを張ったり寝袋で野営するのが定番です。
昔は無人駅のベンチで寝るのが貧乏旅行の定番だったが、国鉄がJRになって金にならない人間を追い出すようになった。
世の中全てを金の有るなしで判断する嫌な時代だが、次に考えられるのは公園や神社、寺などです。
神社や寺の軒下も昔は定番だったが、最近は取締りが厳しいのか、あまり聞かなくなりました。
次に考えられるのは公園で、高度経済成長期からバブル時代に掛けて、余った予算で日本中に公園を作りまくった。
公園で宿泊するのは可能だが、法律上合法なのかどうか、気になるところだと思います。
まずテントを設営せず、寝袋などで単に寝るだけなら、日本中どこでも完全に合法です。
昼寝して逮捕される事がないように、夜ベンチなどで寝るのを禁止する法律や条令は存在しません。
占用は禁止だが使用は問題ない
同じ事を昼間やると合法で、夜やると違法というのは、無いわけです。
問題は公園内にテントを立ててその中で寝る行為で、微妙な問題を含んでいます。
例えば国定公園や国立公園内では、指定場所(キャンプ可と書いてある)以外は違法になります。
国定公園ってのは特定の公園ではなく、北アルプスとか尾瀬ヶ原のような、自然が保護される区域の事です。
普通の公園については実は「テントを設置してはならない」という法律は存在しません。
ただし「工作物を設置し、公園の一部を占用し、公園としての利用をできなくする行為」は禁止されています。
面倒くさいのは「占有」は継続して一定期間占拠することで、一晩で撤去して翌朝出て行くのは「使用」であり「占有」ではありません。
これを勘違いした人が、ネット上で「すべての公園でテントの設置が禁止されている」と主張しますが、禁止されているのは「継続して占拠する」行為です。
では国の法律で禁止していないからテントは合法かというと、実際にはほとんどの公園は地方自治体の管理地で、各地の条例によって違います。
単純にテントを禁止すると、じゃあ花見でビニールシートを敷いて、イスやテーブルを設置するのも禁止って事になる。
やはり設置した後の「継続性」がポイントになる。
管理人がテント禁止にすれば禁止
例えば大阪市の場合は橋下知事(市長)時代に「公園の野宿を禁止する」という条例が施行され、ホームレス小屋が撤去されました。
大阪市のすべての公園でテント禁止なのだが、これも「占用」つまりテントなどを設置して継続して居住したりするのを禁止しています。
大阪市や大阪府のサイトを見ても「旅行者が一晩だけ公園にテントを張る行為」を禁止している説明や条例は見当たりませんでした。
東京都も同じような「ホームレス禁止条例」がありますが、恐らく同じように「継続した占用」だけを禁止していると思います。
では条例で禁止していないから、どの公園でもテント自由なのかというと、公園によって「テント禁止」「バーベキュー禁止」と書かれています。
条例がなくても管理者である自治体や、管理人が「禁止」と書いてあれば、法的に禁止しているのと同じと考えられます。
この辺は一度大阪市の公園課(?)にでも聞いてみたいが、最後は管理している人間の判断だという事です。
「テント禁止」と書いてあればそこは禁止だし、書いていなければ恐らく、法律上は違法ではありません。
だが公園の管理者がやってきて「ここはテント禁止だ」と言われれば、公園を利用する人は管理者に従わなくてはならないと定められています。
結局公園にテントを張るのは合法か違法かの問題では、最後は管理人の考え次第と言えそうです。