ミトラのブログ 秘境と異世界

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忙しい店は続かない法則 ブラック企業と繁盛店は紙一重

倒れるまで働くような労働は生産性が低い

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http://livedoor.blogimg.jp/netamichelin/imgs/3/6/3696289e.jpgより引用

 

繁盛店は続かない法則

世の中には「忙しいけど全然儲かっていない」という人が非常に多く存在しています。

起業した人でも、毎日凄く忙しいけど全然お金がなくて、下手すると赤字という場合があります。

一念発起して会社を辞めてネット起業とか、屋台のたこ焼きとか、喫茶店とかを始めたとします。


最初の目標はたぶん「大儲けすること」ではなく「お客さんで店が賑わうこと」でしょう。

最初から楽して大儲けできるような、上手い話はないのは、誰でも想像がつくからです。

食べ物でもサービスでも、自分が希望する価格をつけても、最初はお客さんはゼロでしょう。


その業態はおそらく他にも存在するし、ライバルのほうが固定客が付いていて信用もあるからです。

そこで利益が出るギリギリまで値下げしたり、思い切った赤字価格に下げて、質を低下させてでも値下げすると、ポツポツとお客さんが来ます。

その後軌道に乗って客は増えるが、今更値上げする訳にもいかず、赤字ギリギリの商売を続けている。


だいたいの繁盛店の実態はこうで、傍から見るほど儲かっていないと思います。

そしてお客さんが非常に多い店は、よりお客さんを多く入れるために改装したり、機械などの投資をしたりしてもっと忙しくなります。

人手が足りないのでアルバイトを雇ったりして、もっともっとお客さんを入れて忙しくしていきます。


そうして忙しさの極限を極めた店は、だいたいある日閉店したりします。

閉店する前には燃え尽き症候群のように、だんだん店の賑やかさが消えていって、ろうそくの火が消えるように最後を迎えます。

個人の店で安売りしてサービス充実して繁盛させても、ほとんど利益は出ない筈なので、内情は火の車だったでしょう。

考えてみると「ブラック企業」はこれの企業版にあたります。

 

ブラック企業とは生産性の低い企業

ブラック企業大賞に選ばれたコンビニ、外食産業、引越し業者、牛丼屋など選ばれたのは全て「薄利多売」の良心的な企業でした。

某コンビニは大儲けしているが、サービスと品揃えの良さで定評がある人気チェーンでした。

いわば「客の評判が良い店ほど、ブラック企業」と言えるわけで、個人の繁盛店と似ている。


某牛丼チェーンでは病気で休むと損害賠償を請求され、某外食店では会長自ら「しぬまで働け!」と怒鳴ったそうです。

某安売り衣料チェーンでは社長の口癖が「泳げない人間は沈める」で、引越し会社は「社員にしてやる」をエサにタダ働きさせていました。

ブラックコンビニでも充実したサービスの裏で、契約FCの家族を無償で働かせていました。


どれも極限の安さや充実したサービスは、忙しさや極度の過労と引き換えに実現していました。

そしてこれらの犠牲の元に成立している商売など、長続きする筈がないのです。

こういう状態を「生産性が低い」と言い、売上や利益が高くても将来性には疑問符が付きます。


例えば業界一の売上と利益を誇る会社があるが、その会社は従業員全員が過労状態で、社長が「しぬまで働け!」と怒鳴っているとします。

いっぽう他の会社は業界トップではないが、従業員は定時に帰宅し、まあまあの利益を上げているとします。

圧倒的に生産性が高いのはトップではないほうの会社で、ある意味怠けているほど生産性は上がるのです。


生産性は一時間当たりの価値なので、16時間働いて2万円稼ぐ人よりも、8時間で1万2千円稼ぐ人の方が、能力として優れています。

重要なのは将来の可能性として、毎日16時間働いている会社は、もうそれ以上成長しようが無い事です。

8時間しか働いていない会社では、最悪の場合(一時的に)2倍働いてもらう事が可能なので、能力の余裕が大きい。


個人でも同じ事が言え、毎日倒れるまで働いていたら、もうそれ以上働くのは不可能だし、すぐに病気になるでしょう。

一生トータルで考えると、8時間働いてソコソコの人の方が、収入は多くなるかも知れません。